初心者必見!これでもう迷わないエギング!
エギングとは、元々漁具の一種であったエギ(餌木)を使ってイカを釣ること。ロッドをシャクり上げて誘い、イカにエギを抱かすテクニカルな釣りは、海のルアーフィッシングを牽引してきた人気の釣り。その魅力を存分に解説していきます!
エギングについて学ぼう!
エギングってどんな釣り?
元々は漁師がイカを獲るための漁具の一種だった餌木。これをルアーフィッシング用に改良したものがエギであり、エギを使った釣りのことをエギングという。
その釣り方は独特で、巻いてくるだけでアクション(動作)をしてくれる他のルアーと違い、ロッドを上へシャクり上げることでエギにアクションを付け、フォール(エギを落としていくこと)させてイカに抱かせていく釣りになる。このアクティブな釣りのスタイルが多くの釣り人に受けて、現在でも全国的な人気を誇っている。ただし、テクニカルな釣りではあるが、足場の良い漁港でタックルとエギ一個から出来るという手軽さも人気の一つといえる。
エギングで釣れるイカの種類。メインはアオリイカ!
エギングでターゲット(狙っている対象魚のこと)となるイカは、アオリイカ、コウイカ、ツツイカ系のヤリイカ、ケンサキイカ、スルメイカなど種類は多い。しかし、岸から釣りをするエギングの場合は、沿岸部に生息するアオリイカがメインとなってくる。大型のものは5kg以上にもなるが、岸から釣れるサイズは1~3kgまでのものが多い。
特に日本海側の北陸などでは数多く釣れるが、1kgに満たないサイズが多い。逆に太平洋側では、黒潮に乗ったアカイカ系と呼ばれる3kg以上の大型サイズが釣れる可能性もある。
アオリイカの習性と生態。春は大型、秋は小型の数釣りが可能!
アオリイカは一年でその生命を終える年魚(ねんぎょ)。その一生のサイクルは、春に産卵&孵化。夏から秋には100g以上になって釣りのターゲットとして成長。冬に大型化していき、また春の産卵シーズンを迎えていく。地域や個体差はあるが、そのような一年を送る。場所などを選べば一年中釣りになるが、メインシーズンとなるのは春と秋。春は産卵をする大型のイカが狙え、秋にはその年に生まれた小型のイカが数釣りできる特徴がある。
食べているエサは、イワシやアジなどの小型魚やエビやカニといった甲殻類など。秋の小型イカは漁港など外敵から身を隠せるポイントに多いが、大きくなればより多くのエサを求めて沖へ回遊することが多くなる。
釣れる場所は、手軽な漁港から磯場まで様々!
アオリイカが産卵をするときは、岸から近い海藻帯(藻場ともいう)などに卵を産み付ける。そのため地域によっては藻イカとも呼ばれており、障害物が大好きなイカ。しかし、エサを求めて沿岸部全域を回遊しており、岸の近くから魚などのエサが豊富な沖まで生息している。釣れる場所も様々で、手軽に釣りができる漁港や堤防など護岸されたエリアから、磯場、ゴロタ浜、砂浜まであらゆる場所で釣ることができる。
また、エギングによるボート釣りも人気だ。岸から狙う場所としては、漁港なら海藻帯などの障害物周りや、ブレイクと呼ばれるかけ上がり周辺、それに根(岩)の周りなどが代表的なポイントとなっている。
釣れやすい時間帯は、朝夕マヅメが狙い目!
エギングで釣りをする時間帯は、朝から夕方までの日中がメイン。エギの動きやイカの反応を目で確認しながら釣りができるのも人気の一つといえる。なかでも朝と夕方の薄暗い時間帯はマヅメ時と呼ばれ、アオリイカの動きも活発になりエサを追い回す。このマヅメ時はエギングにとって釣れるチャンスが高い時間帯で、入れ喰い状態!…なんてこともある。もちろん夜にも釣れるが、日中エギングが全国的に広まったことから陽のある時間帯がメインとなっている。
エギングに必要な道具と装備。基本はタックル&エギだけでOK!
エギングに必要な道具は、タックル(ロッド、リール、ライン)とエギ、これだけあれば十分!この手軽さが受けて全国的な人気を博すが、ここでは他にあると便利な装備も同時に紹介していきます。
ロッド:8ft(フィート)前後の専用ロッドが扱いやすい
エギング用のロッドは各メーカーから出ており、専用のものが扱いやすくなっている。昨今は、8ft(フィート)6in(インチ)を基準として、8ft前後のものが多く出ている。エギをより遠くまで飛ばす飛距離性能やシャクりやすさなどから導き出された長さとなっている。しかし、身長によって扱いやすさには個人差があるので、もし長く感じたら8ft3in、逆に短く感じたら8ft6in以上を選んでいこう。
それ以外にもロッドパワーによる違いもあり、扱うエギによっても変わってくるが、初めてならL(ライト)かM(ミディアム)を選ぼう。汎用性を考えた場合Mが良いが、秋などの小型のイカがたくさん釣れるシーズンに釣りをするならLもオススメだ(小さなエギを扱いやすい!)。
ナチュラム厳選!おすすめエギングロッド!
リール:2000~3000番台くらいがロッドに合いやすい
使うリールはスピニングリールが主流で、それほど大きい必要はなく、糸巻き量が大体PEライン0.6~0.8号が150~200mくらい巻ければOK。具体的なサイズは、メーカーにもよるが2000~3000番台のものがエギング用ロッドにも合っている。エギング専用のものもあるが、まずは自分の好みのものを選べば大丈夫だろう。
ナチュラム厳選!おすすめエギング用リール!
ライン:エギングではPEラインがマストアイテム!
ラインにもいろいろと種類はあるが、エギングで使うラインはPEライン(ポリエチレン素材の細い糸を編み込んだもの)が主流となっている。このPEラインの特性は、伸びが少なく直線強度が高い。さらにはほとんど伸びがないということから、感度も他のラインに比べて非常に高い。シャクってフォールさせてアタリを取っていくエギングという釣りでは、この伸びの少なさと感度が重要になってくる。
また他のラインよりも強度があるので、より細い0.6~0.8号のものが主流となっている。最近は価格的にもリーズナブルなものが増えてきているので、まずは買える範囲のものから選んでいくのをおすすめします。
ナチュラム厳選!おすすめエギング用ライン!
リーダー:フロロカーボンラインの2号前後が主流
リーダーはショックリーダーと呼ばれており、急な衝撃や障害物との摩擦でもラインが切れないようにPEラインとエギの間に付けているもの。主にフロロカーボンラインをショックリーダーとして使用することが多く、水中にも沈みやすく摩耗性能に強いという特性上扱いやすくなっている。太さは、1.5~2.5号くらいまでと人によって様々だが、2号前後を付けておけば大丈夫だろう。
ナチュラム厳選!おすすめエギング用リーダー!
エギ:3.5号を基準にして3~4号サイズがメイン!
エギは各メーカーで豊富なバリエーションが出ており、選択肢の幅が広い。基本としては3.5号サイズを基準にして、秋の小型イカを狙うなら3号、冬の大型イカなら4号…といった具合で選んでいけばOKだ。カラーもオレンジやピンクのものが多く出ているので、自分から見えやすいという意味でもこの2色がおすすめ。
あとは自分で「釣れそう!」と思うものを選んでいけば、モチベーションアップにも繋がるので、直感的なイメージで選んでしまってもOK!それから徐々に自分に合った「釣れるエギ」が見えてくるはずだ。
ナチュラム厳選!爆釣必至のおすすめのエギ!
便利装備:ギャフやネットがあるとイカのキャッチ率もアップ!
エギングをするポイントは様々で、堤防でも水面から距離があったり、磯場なら水際まで近づけない場合もある。そんなときにあると便利なのが、エギング用のギャフ(先にかぎ爪状の付いた取り込み用のアイテム)やランディングネット(魚などを取り込むための網)。初めて扱うならネットの方がおすすめだが、エギング用のギャフはコンパクトに仕舞い込むように工夫されており、持ち運びに便利なのはギャフとなっている。
他にもイカを一杯ずつ入れておける大きめのフリーザーバッグ、クーラーなどもあれば美味しく保存することが可能。また、イカ締めピック(イカを締めるための締め具)や、エギを入れておける専用のエギボックスやバッグ、それに日中の釣りとなるので水中が良く見えるようになる偏光グラスなども是非持っておきたい装備だ。
ナチュラム厳選!初心者でも使える便利装備!
安全装備:ライフジャケット+偏光グラス+キャップ!
エギングでは潮通しの良いポイントが釣れる場合もあるので、足場の高い堤防や磯場などで釣りをするときもある。もしものためにライフジャケットは必須といって良い安全装備となる。自動膨張式の膨らむタイプなど、かさばらないものもあるので是非揃えておきたい。
また、便利装備でもあげたように水中を見るための偏光グラスだが、これもエギなどが直接目に当たることがなくなるので安全性を高めるためにも持っておきたいアイテムだ。さらに、キャップやハットといった帽子類も頭の保護という点と熱中症対策という意味でも着用したいアイテムだ。
ナチュラム厳選!おすすめ安全装備!
アオリイカを釣ってみよう!エギングの釣り方と注意事項
ルアーとはまったく異なる形のエギ。一体どんな釣り方をすれば良いのか?まずは難しく考えず、シャクって待つだけでOK!初めての方でも簡単にエギングができちゃう釣り方を紹介します!徐々に慣れていけば、よりテクニカルな奥深い釣りも可能です!
エギングの基本動作:シャクって誘い、フォールで抱かす!
エギングは、ロッドをシャクってから止めてエギをフォールさせる。この基本動作さえ覚えてしまえば、あとは自分なりのシャクりとフォールを試していって、徐々に釣り方のバリエーションを増やしていけば良い。テクニカルとはいえ、基本的な釣り方はシンプルそのものだ。以下では、実際にエギを投げてからアオリイカを釣っていくまでの一連の動作を流れで解説していきます!
まずはエギをキャストして沈めていく!
エギングの一連の動作は上の通りだが、実際には狙ったポイントへエギをキャスト(投げること)してみよう。そしてエギが水面に着水したら沈めていくのだが、他のルアーに比べるとゆっくり沈んでいくのがエギの特長。焦らずに、まず一投目は底まで落として釣り場の深さをつかんでおくのも基本テクニックの一つ。しかし、磯場など底がゴツゴツと根掛かりやすいポイントなら底まで落とす必要はないので、状況に合わせて試していこう。
シャクりは1~2回が基本。慣れていけばいろいろと試そう!
キャストしてエギをフォールさせていったあとは、糸ふけ(たるんだラインのこと)をリールで巻き取ってからエギをシャクっていく。このシャクりは、エギをイカへ気付かせていくアピール方法となっている。
そしてシャクり方にも大きく分けて2タイプあり、大きくロッドを上へ上げるとエギは水中でも上へ跳ね上がりやすく、細かく数回シャクるとエギは左右へ滑るように動く。この左右への動きのことをダートと呼び、特にやる気のあるイカの興味を引くテクニックとして効果的となっている。また、シャクりの回数も2回、3回…と多めにシャクることもあり、1回のシャクりで反応がない場合は回数やシャクり方の強弱などを変えていく。まずは1~2回のシャクりが基本となるので、慣れてから徐々に試していこう。
フォールでイカがエギを抱く…その落とし方も様々!
シャクりはエギの存在を気付かせる効果があり、イカを寄せる手段。そして実際にイカがエギを抱いてくるのは、シャクってから動作を止めてエギが沈んでいくフォールのときになる。
エギが水中で落ちるスピードはゆっくりで、フワフワと自然に落ちる様はまさにエビが跳ね上がったあとの動きそのもの。そのゆっくりとしたエギの動作にイカが抱きついてくるのだ。まずは糸ふけを取ってラインを張り気味にしてフォールするとアタリが分かりやすい。コツをつかんでいけば、ラインがたるんだ状態で落としたり、ロッドを引いてくるなど、フォールの仕方もいろいろある。
ちょっとした違和感があればアワセてみよう!
エギングのアタリの取り方は、イカの活性が高ければ手元までグイン…!と、引っ張るように感じ取ることができる。そういった分かりやすいアタリはすぐにロッドを上げてアワセていこう。その他にもエギをフォールさせているときに細かい違和感があれば、まずはアワセてみるのがエギングの鉄則。細かいアタリの例として、ラインが急に動いたり止まったりするなど、手元にアタリが伝わってこなくてもちょっとしたライン変化があればアワセを入れてみよう。
より具体的な釣り方のポイント!
1:広範囲に狙う
2:フォール&シャクリの基本動作
3:シャクリ(ダートで誘う)横方向の基本動作
エギングの一連の動作は上の通りだが、まずは、狙ったポイントへエギを向かって左右45度の範囲で、キャスト(投げること)し、次にフォール&シャクリを行う。エギの動かし方としては上の2のイメージのように上下させる方法と、3のイメージのように左右に動かす方法が有効なので、チャレンジしてみよう。
海が荒れていたり危険な場所では釣りをしない!釣りの注意事項
アオリイカは穏やかな漁港内でも釣れるが、潮の流れが速い外洋に面したポイントでも良く釣れる。そのため、天候が荒れているときは波が高くなって危険なこともある。釣り場にいって波が高いようなら安全のために釣りを控えておこう。また、磯場のなかには急斜面な場所などもあるので、無理な釣行をせず安全で楽しいエギングを心掛けてください。
イカの中でも最高ともいわれるアオリイカを調理!
イカは他の魚に比べると処理も楽で、お造りや一夜干しなど様々な日本料理がいろいろと紹介されている。ここでは、あえて日本風ではなくイタリア料理である「おしゃれなイタリアンレシピ「菜の花とトマトのスパゲッティーニ」を紹介。日本と同じく海に囲まれたイタリアならではの調理法をぜひご賞味ください。
▼ より具体的な料理の方法についてもっと詳しく知りたい!という方はこちらの記事へ
まとめ
いかがでしたでしょうか?エギングは比較的、装備品が少なく、はじめやすい釣りなので、興味を少しでも持っているなら、ぜひ、はじめてみてください!美味しいアオリイカが釣れたら、あなたもきっとハマるのではないかと思います!
他の魚も釣ってみよう!
協力:DAIWA、YAMASHITA、ルアーマガジンソルト編集部