初めての車中泊!必要なものや初心者おすすめグッズとは?
ここ最近、三密を避けるためにアウトドア人気が高まっています。 旅先の夜を車内で過ごす、車中泊を始める方も増えてきました! また、災害時も密な状態を避けるために、避難の手段として車中泊を選ぶ方も増えています。
車中泊はキャンピングカーが無くても、今乗っている車で手軽に楽しむことが可能! そもそも現代の車は、車中泊がしやすい構造になっています。
- そもそも車中泊って、どこでどうやればいいの?
- 何か気を付けた方が良いことってあるの?
- 車中泊するために何を揃えたらいいかわからない!
そんな初心者の皆様の疑問にお答えするべく、車中泊をする場所、注意点、必要なものやおすすめグッズに便利アイテムをお伝えいたします。さらに災害時の車中泊避難についてもお伝えいたします。
車中泊ってそもそも何?
「車中泊」とは、その名の通り「車の中で寝泊まりする」こと!
キャンプ場ではテントの設営や撤収の手間があり、限られた時間内でゆっくり過ごすことができないという方もいらっしゃいます。 しかも雨の日は撤収が余計に面倒になってしまいます。でも車中泊なら、そんな手間や面倒さを回避することだって可能。
また、RVパークなどの車中泊が出来る施設を利用すれば、キャンプ場だけでなく色んなへところ気軽に旅に行けるのも魅力的です。 釣りをする方の中には、朝早くを狙ってポイントの近くで車中泊する方も多いようです。
車中泊をするその前に!気を付けておきたいポイント
車中泊が人気になるにつれ、一部の人のルール破りやマナー違反によるトラブルで『車中泊禁止』にせざるを得なくなってしまったキャンプ場も増えています。
場所ごとのルールやマナーを守って、車中泊を楽しみましょう。
マナーの基本は「他の人に迷惑をかけない」ことですが、細かい点についても確認していきましょう。
車中泊する場所に注意!
車中泊はなるべく、オートキャンプサイトや日本RV協会公認の車中泊施設であるRVパークなど、車中泊が許可されている場所で行いましょう。
高速道路のSAやPA、道の駅は、近くにトイレもありとても便利ですが、認められているのは「安全運転の為の仮眠程度」で、宿泊は禁止されています。
道の駅は場所によっては車中泊OKのところもあるので、事前に確認しましょう。
路上や路肩、私有地やお店の駐車場では、違法駐車や不法侵入として、通報されたり損害賠償請求をされてしまうこともあります。
気兼ねなく車中泊を楽しみたいなら、有料施設を使うことをおすすめします。
特にRVパークは「トイレやお風呂(温泉)を利用したい」「ごみを処理したい」「電源を利用したい」などの声を元に、各種条件を満たしたところが登録されています。JAFの会員優待サービスを活用すれば、さらに「安心・安全・快適なくるま旅」を“お得”に楽しむことが出来ます。
車中泊をする時はエンジンを切っておこう!
オートキャンプ場やRVパークに限らず、基本的にアイドリングは禁止です。 暑いから、寒いからと言ってエアコンを点けたままで就寝するのはやめましょう。
また、廃棄の問題や騒音のため、RVパークでは発電機も禁止されています。キャンプ場は場所によりけりですが、基本的には禁止と考えておきましょう。
どうしても我慢できないなら、ポータブル電源を用意しましょう。 ポータブル電源を使うと、暑いときは小型の扇風機を利用する、寒いときは電気毛布を使うことができます。
車中泊スポットのルールを守ろう
オートキャンプ場やRVパークなど、車中泊可能な場所を使用するとしても、施設ごとにルールは異なります。
例えば、オートキャンプ場では車の外で火を使った調理や焚き火ができますが、RVパークは『駐車場施設』なので、火気厳禁ですし、車外での調理も禁止です。RVパークでは火を使った調理や焚き火はできないので、調理なしで食べられるものを用意するか、車の中で電気調理器を使うなどの工夫をしましょう。
また、キャンプ場は「就寝時間」「消灯時間」があります。RVパークはクワイエット・タイム(静かな時間)という、夜10時から翌朝7時までは大きな音や大声は避けるルールがあります。
夜中に騒いだり、大きな声でしゃべるなど、周りの迷惑になることはやめましょう。
『車だからこそ』見落としがちなことにも配慮しよう
普段の生活では気にしていないことでも、車中泊では細心の注意を払うようにしましょう。
例えば夜間の車の開け閉めの音は、静かな空間の中では思ったよりも響きます。 さらに、車ヘッドライトは非常に明るく、夜間だとまぶしいくらいです。ルームランプ(室内照明)も遮光カーテンやシェードなどで目隠ししておきましょう。
ただ急にお手洗いに行きたくなってしまうなど、どうしてもドアを開けて灯りを点けなければいけない場合もあると思います。 その際は、極力静かにドアを開け閉めして、手持ちのライトやランタンを使って、周りに配慮しながら移動するようにしてください。
車中泊の必須アイテムを揃えよう!
車中泊をするためには、まず寝床を整える必要があります。
シートを倒してそのまま寝るだけでは寝不足になったり身体が痛くなったりします。フルフラットになるタイプの車種でも、車のシートを倒してみると、座面と背もたれの間に段差や隙間があったり、硬いパーツがあったりして、そのまま寝ることはできません。まずは、この隙間や段差を埋めて、車内で過ごすための準備をしてみましょう。
段差や隙間を埋めよう!
初めに、車のシートを倒してみて、どんな状態になるか確認しましょう。意外と傾斜や段差、隙間が多いことに気づくはずです。
状態を確認して、眠る際に不快になりそうなポイントが分かったら、傾斜や段差などを埋めていきます。大きな段差や隙間は、車用のエアクッションや折り畳み式のキャンプマット(EVAマット)を折り畳んだまま埋めたりしてみましょう。座面と背もたれの段差がある場合は、毛布などを使うのがおすすめです。
マットを敷こう!
大きな隙間や段差を解消したら、次はインフレータブルマットやエアマットを敷きます。これはお家で使う「敷布団」や「マットレス」の役目を果たすものです。
毛布は素材そのものが柔らかいので、敷いても車の凸凹に沿ってしまうため、マットの代わりにはなりません。段差を解消するためと割り切りましょう。
インフレータブルマットは厚み2.5cmのものが多いのですが、2.5cmだと車の固い樹脂パーツなどが気になることも。 こうしたことを踏まえて、車中泊用のマットは5cm以上がおすすめです。 9~10cmほどの厚みのあるマットを使うと、まるでベッドのような寝心地で、車とは思えないほど快適です。
ただし大きさには要注意。購入後に広げてみたら車に入らない!なんてことにならないように、購入前に車の大きさ・広さにあっているかチェックしておきましょう。
意外と寒いかも?寝袋(シュラフ)も用意しよう
夏場は平地ならシュラフが無くても大丈夫なことが多いのですが、山間部などで車中泊をすると、意外に寒かったりします。 また、冬場は風の影響は受けませんが、車のボディは鉄ですし、窓がガラスのため、思いのほか外気の影響を受けやすくなっています。 車中泊スポットの気温を事前に調べておき、ケースにあったシュラフを用意しておきましょう。
枕もあるとより快適に眠れます。3シーズンのものなら幅広い季節で活躍しますし、写真のような4シーズン使えるものは、組み合わせ次第で使い方が広がります。
目隠しをしておこう
キャンプ場やRVパークの場合でも、人の行き来がありますので、外にいる人と目があってしまい気になってしまって眠れなくなることも。 また、明け方は日差しがまぶしくて目が覚めてしまいます。
就寝時のプライバシーを守るためにも、窓に目隠しをしておくことをおすすめします。 車種ごとに合わせて作られたシェード(目隠し)は、遮光性や密閉性も高く、さらには車内部に熱が伝わるのを防ぐ効果もありますが、比較的お値段が少し高めです。 車用のカーテンを利用したり、手持ちのタオルや毛布をロープに引っ掛けて目隠しをつくるだけでも、効果があります。 銀マットやプラスチック段ボールを利用して自分でシェードをつくっていらっしゃる方も多いようです。
ランタンやライトも用意しよう
車のルームランプは先ほどお伝えしたように、周りに迷惑になるほか、つけっぱなしだとバッテリーが上がってしまう危険性があります。
夜にお手洗いに行きたくなった際などのために、電池やバッテリー式のLEDランタンを用意しておきましょう。全体に明かりが広がるようなもので、光量調整ができると常夜灯としても使いやすいです。
電池を長持ちさせる「バッテリーガードLED ランタン」や、アシストグリップに取り付けやすい「エムパワードコア」などは災害時にも役に立つのでおすすめです。
あるとさらに快適に!車中泊便利アイテム
車内で過ごすための車中泊必須アイテムのほかに、「これがあるとさらに快適!」な便利アイテムをご紹介します。
ポータブル電源
繰り返しとなりますが、エンジンをかけながらの車中泊はマナー違反。エアコンをかけながら寝ることはできません。
でもポータブル電源があれば、扇風機やパーソナルクーラーなどを使うことができますし、冬場は電気毛布を使うことも可能!電池容量の大きいものなら電気ケトルなどを使うこともできますが、バッテリー容量に気を付けて使用しましょう。
専用のソーラーパネルも一緒に用意しておけば、いざという時の電力確保にも使えます。
クーラーボックス
飲み物や食材を入れておくのに大活躍するのがクーラーボックス。
飲み物を冷たいままキープできるほか、食材が傷んでしまうのを軽減してくれます。車中泊の際に食べる食材などのほか、道の駅などで購入したお土産を持ち帰る時にも役立ちます。
カーサイドタープ(オーニング)、テーブル、椅子
キャンプ場での車中泊なら、カーサイドタープ(オーニング)を利用して車の外にリビングスペースをつくることが可能!
RVパークでも、カーサイドタープ(オーニング)の使用OKのところもあります。※施設によって異なるので事前確認が必要です
キャンプ場なら食事や調理を車外で行うことができますし、RVパークも場所によっては椅子を出して外で食事することができます(ただし車外調理はNGですので要注意!)車中泊をより広く、ゆったりした空間で過ごせるので、一層贅沢な時間を楽しめます。
ルーフキャリア
先ほど紹介したカーサイドタープやクーラー、椅子やテーブルも持っていくなら、より積載量を増やせるルーフキャリアがあると便利です。
車内に置く荷物を減らせるので、就寝スペースを広く取ることができます。特にちいさなお子様やペットを一緒に連れていく場合は、通常よりも荷物が多くなりますので、こうしたものも活用しましょう。
調理不要な食料品
地元のおいしいものを買って車の中で食べるのも旅の醍醐味ですが、できれば温めて食べたいですよね。
キャンプ場なら火を使って温めやすいのですが、RVパークなど火気厳禁な場所の場合は、思い切ってレトルト食品を食品加熱袋で温めて食べるのも一手です。
カゴメの野菜スープやホリカフーズの詰め合わせセットは、野菜がゴロゴロ入っているうえ非常においしく、人気の商品です。しかも製造から5年と賞味期限が長いので、非常時の備えにももってこいです。非常時だけでなく、普段の時の食事としてご利用いただいている方も多いようで、どちらもリピーターさんが多い商品でもあります。
ただし、常温保存が原則です。車に積みっぱなしにするのはやめましょう。
腕時計
時刻の確認にスマートフォンを使っている方が多いのではないでしょうか。
スマホで時刻確認をする際に、画面表示で電力を使うためバッテリー消費が早くなってしまいます。キャンプ場やRVパークでは電源が借りられないこともあり、車のエンジンもオフにすると車内の時計も確認できません。
さらに災害時には、停電時にスマートフォンの充電が出来ず、時間が分からなくなった方も多かったそうです。災害後しばらくは、物資の配給や食事など、時間を確認して行動をすることも多くなるため、そうした場合にも意外と腕時計が役に立つんだとか。
選ぶなら天候が変わりやすいアウトドアの時や、災害時での雨風や水没に耐えられるように、防水機能が高く頑丈なものがおすすめ。 加えてソーラー充電可能な電池切れの心配のないものを選べば、山の中でも非常時でも安心です。
車用の防虫ネット
夏場に窓を開けて寝ると、虫が入ってこないか心配になりますよね。窓枠にかぶせてドアを閉めるだけで網戸にすることができる、防虫ネットがあると便利です。※ピッタリサイズというわけではないのでご注意ください。
災害時の車中泊避難
熊本地震の際は本震が2回発生したこともあって、車中泊避難を選ばれる方が非常に多くいらっしゃいました。
しかしながら、エコノミークラス症候群で病院に搬送される避難者が相次ぎ、入院が必要となった重症者54人中、43人が車中泊だったと言われています。そのため、車中泊での避難は、以前は国や自治体は推奨していませんでした。
しかしながら、コロナ禍によって避難所の収容人数が以前の1/3に減ったこともあり、2020年の九州の台風の際に、避難の手段として車中泊を選ばれる方もたくさんいらっしゃいました。大型施設が立体駐車場を避難場所として提供するなどもあったようです。
そうした背景から、今では車中泊避難の対策を取っている自治体は、都道府県や政令市など主要131自治体の7割に上ると言われています。
ここでは避難の手段としての車中泊について考えてみましょう。
車中泊を選んだ理由は何?
熊本地震の際に車中泊を選ばれた方へのアンケート結果を見てみると、以下のような理由からでした。
- 人が多く落ち着かない
- 避難所では気を遣う
- 建物の中は怖い(熊本地震では本震が2回起きた)
- 避難所がいっぱいだった
避難所で気を遣うとおっしゃられた方の中には、小さなお子様のいるご家庭や、ペットと一緒に避難した人も多くいらっしゃいました。避難所には不特定多数の方がおり、神経が張り詰めて音やニオイにも敏感になっておられるので、お子様の泣き声やペットのニオイなど、確かに気を遣ってしまいます。
また動物アレルギーの方も中にはいらっしゃるため、ペットは基本的には屋外という避難所もたくさんありました。
車中泊であれば、プライベート空間が確保できますし、ペットと一緒に過ごすこともできます。周囲への配慮のほか、こうしたことを色々考えた末の車中泊であったようです。
エコノミークラス症候群が多かった原因は何?
熊本地震の際に車中泊を選んだ方々は、やむを得ず車中泊をした方も多く「アウトドアとしての車中泊」の体験をしたことがない方がほとんどでした。
急いで詰め込んだ荷物の隙間で寝ていたり、座ったまま寝ていたりなど「かろうじて車内で寝た」状況の方も少なくなかったようです。
さらに地震によってトイレが使えなくなってしまい、トイレを控えるために食事や水を控える方も多くいらっしゃいました。
エコノミークラス症候群は、食事や水分を十分に取らない状態で、狭い座席内に座った状態で足を動かさないことで発症します。
熊本地震の例を見ると、狭い場所で座ったままの状態が長時間続き、さらに水分を控えたことで、よりエコノミークラス症候群を引き起こしやすくなったことが考えられます。
もしアウトドアとしての車中泊に慣れていれば、車内でマットを敷き、横になることもできたでしょう。
さらに非常用トイレを用意していれば、トイレを我慢することもなく、エコノミークラス症候群を発症する方も少なかったかもしれません。
車中泊避難をするにはどうすればいい?
まずは、もしもの時の車中泊を快適にするために、車中泊を体験してみるのがおすすめ。
ご紹介した方法で、就寝スペースをつくり、繰り返し試してみて快適に過ごせる空間を仕上げていきましょう。体験して初めて分かることもたくさんあるはずです。
そして非常用トイレを使うことに慣れておくことも大事です。キャンプ場やRVパークにはトイレが設置されていますが、あえて使わずに非常用トイレを試してみてください。日ごろから慣れておけば、いざ車中泊避難をするとなった時に役立ちます。
車中泊避難の時のデメリットも考えておこう
車中泊避難はプライベート空間が確保しやすく、慣れていれば快適に過ごせますが、デメリットもあります。
まず、衛生面の問題です。密閉空間なのでニオイがこもりやすくなっています。普段から車のニオイが気になる!という方も多いと思われますが、換気をするほか、除菌・消臭ができるアイテムも用意しておきましょう。
また避難所で得られる地域情報が得にくく、自治体側も避難者がどこにいるか把握しにくい面もあります。避難者がどこにいるのかが分からないと支援物資を配給したくてもできないそうですので、自治体任せにせず、避難者自身が連絡責任を持つ必要があると知っておきましょう。
車中泊避難の時の移動や避難先について
台風や豪雨の際は、直撃する前に安全な場所に移動しておくほうが良いでしょう。
車による避難で危険なのは、「まだ大丈夫」だと思っている間に周りの水位が上がり、車内から脱出できなくなってしまうケース。 日本自動車連盟(JAF)によるテストでは、車内に空気が残っている場合は水深にかかわらず、車外の水圧でドアが開かなかったことが分かっています。
実際に、東日本を襲った大型台風19号・21号、さらにその後に続いた10月25日の記録的な大雨では、水没した車内などで亡くなる「車中死」が急増しています。
また、台風の場合は暴風にも要注意。過去、2018年に大阪を襲った台風では、大型トラックも横転しています。強風で飛んできたものによってフロントガラスが割れてしまうこともあります。
自治体によっては商業施設などの立体駐車場を『臨時駐車場』と定め、災害時に開放しているところもあります。2020年には、パチンコ店が立体駐車場を開放し、一時避難場所にした事例もあります。
安全を考えるのであれば事前に調べておき、いざという時に利用できるように準備しておきましょう。