JimnyとHilanderでたったひとりの冒険キャンプ
2018年にフルモデルチェンジをした、Jimny(ジムニー)。通常の大型オフローダーが入れない狭い道も、小型で機動性の高いこの車なら問題ない。ハードな林道を抜け、一人静かな空間を作り上げて愉しむことも可能だ。Jimnyと一緒に胸躍る冒険へ出かけよう。
快晴のその日、長年の私の夢が叶う時がきた。憧れ続けてきた、あのJimnyに乗ることができるのだ。
実際に目の当たりにすると、思い描いていた以上だった。漂う無骨な雰囲気。機能美に徹し、無駄を排除したデザイン。そして伝統のラダーフレーム。これからの冒険へのときめきが、さらに高ぶる。そんな気持ちを抑えながら、運転席に身を滑りこませた。さあ出かけよう。
行く場所は既に決めていた。高い空と広大な湖は、Jimnyの魅力をより引き立てた。自慢のテントを立て、背景と融合させる。まるでそこだけ空間が切り取られたかのようだ。何という贅沢だろうか。
テントの大きさは、直径330cmある。息子とのふたりキャンプでも十分だろう。もう少し大きくなったら、一緒に釣りを楽しむのもいいか。そんな事を考えることも、また愉しい。
折角の自分だけの空間だ。揃えるアイテムもお気に入りの物だけにした。ウッドフレームのテーブルと椅子は、テントやJimnyとの相性もいい。
そういえば、Jimnyは収納力も高い。荷物が全て積載できるか心配していたが、杞憂に終わった。道具自体がコンパクトだった事も手伝ってか、ラゲッジスペースにはまだ余裕があった。
組立て終わった椅子に腰掛け、ルアーの選定をする。周りには風の音だけが響く。一人静かに集中し、釣りに没頭した。
時間はあっという間に過ぎていく。一日目が終わる。湖畔に落ちていく夕陽を眺めながら、ビールを一口。自慢の道具に囲まれた空間は、時間を忘れさせる。至福の時間をかみ締めた後、テントに潜り込み、私は眠りに落ちた。
二日目。Jimnyの悪路走行性能と、小回りの利くボディを生かし樹木生い茂る、山深い道を走らせた。
目的地に到着したのは昼過ぎだった。一服した後、サイト内を探索し、宿泊地を決める。今日は写真を撮りたい。場所選びには特に拘りたかった。暫く歩くと、緑が美しく、且つ開けた場所を見つけた。ここが良いだろう。
一人キャンプの醍醐味は、誰にも邪魔されずただひたすら、自分だけの時間を楽しめることだろう。設営を終え、カメラを構え、シャッターを切った。景色も、サイトも、男心をくすぐる。最高の自己満足。達成感と充実感で満たされた。
自慢の道具も、いつもより嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
さらに今夜はコットを試してみたい。アルミ製のローコットは、軽量で組立しやすく、張り感もある。落ち着いたトーンのブラウンは、まるで樹木に溶け込むようで、そこにある事が自然に感じた。
気付けば日が傾いてきた。熱中しすぎた。無駄な飾りの無いJimnyとテント。夕日に照らされた姿は、今までで一番とも言える景色だった。
夜が訪れ、風が木々を揺らす音が聞こえる。肌寒さを感じた為、焚火をおこし、ランタンに火を灯した。じゃじゃ馬で扱いづらいこのランタンは日ごろの手入れが大事だ。面倒だが、それがまた愉しい。
暗闇の中、ただ揺れる炎を見つめる。そういえば、人は火を見て癒されると聞いたことがある。獣は炎を恐れる為、人が身を守る術を手に入れたからだそうだ。人が焚火に癒しを感じるのは、遺伝子に組み込まれているのかもしれない。
3日目の朝。楽しい時間ほど早く過ぎ去っていく。冷えた朝の空気を吸い込んだ。充分過ぎる程に余暇を楽しみ、満たされた心で帰路についた。
次は何処に行こうか。Jimnyと行く冒険は、まだ始まったばかりだ。
実際に使用したおすすめアイテム!
SUZUKI Jimny × Hilander One Pole Tent Photography
撮影にご協力頂いた「タリカーナ」様。本当にありがとうございました。 by ナチュラム社員一同