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杉坂プロのFFコラム
 
 

杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


みなさんこんにちは、杉坂隆久です。今月からナチュラムさんのHPのコラムに書かせていただくことになりました。フライフィッシングのハウツーを基礎編から上級編まで毎月更新で書きますんで、これからよろしくお願いします。

第1回 これからフライフィッシングを始めようという人のタックルの選び方

始めに

フライフィッシングとは、ヨーロッパではじめられた毛針釣りであり、わが国には30年ほど前から愛好者が増えはじめ、ここ10年ほどでその人口は急増したようである。そもそもフライフィッシングというのは、魚を捕獲する作業としては、私の知る限りにおいて最も効率の悪い代表的な釣りのジャンルの一つであり、必要とされるエネルギーに対する漁獲高はすこぶる悪いと思える。これからフライフィッシングを始められる方は、この事実を知った上、覚悟して取り組んでもらいたい。なーんて、ちょっと堅くなってしまいましたが、なぜそんなに漁獲高のすこぶる悪い釣りでありながらも、わが国に何十万人もの愛好者が増えてしまったのかは、わが国の食が豊かになり、釣った魚=晩のおかずという図式が崩壊し、釣りが楽しい時を過ごすための遊びの一つと成り得たことが、最も大きな要因とおもえる。何はともあれ、フライフィッシングは、美しい自然の風景の中で、美しいトラウト(美しくない景色と美しくないトラウトの場合も時にはある)と遊ぶ釣りであることと、家でタイイング(毛針作り)をし、完成したフライをライトにかざし「ガハハハ、このフライで〇〇川・大ヤマメは釣れたもどうぜん。」なんて実際のフィールドに出かける以前に、仮想爆釣(私だけなのかもしれない?)も可能な楽しい釣りなのである。

これからフライフィッシングを始めようという人のタックルの選び方

ロッド・リール・ラインかつて(5年以前)は、湖でも渓流でも使用可能な#5のラインと#5〜#6のロッドとそれに合ったサイズのリールを購入してください。なんてのが、私に限らず初心者のタックル選びの定番だったのですが、フライフィッシングに関する情報が溢れている昨今は、まず、自分の行きたいフィールドや釣りたい魚を決めていただきます。

  • 渓流のマッチザハッチやルースニングの釣りならば、#3か#4ラインに8フィート前後のロッド
  • 源流の釣りならば、#4か#5フローティングラインに8フィート前後のロッド
  • 本流でそれほどロングキャストを必要としない河川のドライフライ
  • ウエット、アウトリガーニンフの釣りには、#5か#6のフロ−ティングラインに9フィート前後のロッド
  • 湖でドライフライとシンキングの両方の釣りに使用するには、#6・#7・#8のフローティングラインとタイプ1〜4までのシンキングラインに9フィート前後のロッドを体力に合わせ選ぶ。
  • 大河川で遡上魚や大型魚をストリーマー等大型のフライで狙う場合には、#8〜#13のタイプ1〜4のシンキングラインとシンクティップラインに12フィート〜18フィートのロッドを、必要とされるディスタンスの距離に合わせ選ぶ。

  • リールはラインの番手の指定のサイズの物を選ぶのが基本である。マッチザハッチの釣りのような細いティペットを使用する釣りには、強力なドラグシステムよりもスムースな回転を重視する。湖や大河川等大型魚の釣れる可能性のある場所では、強力ドラッグシステムを備えたリールを選ぶとよい。

  • フライラインは、世間の通説では低番手(#5)以下はDT(ダブルテーパー)がよい。とありますが、私の考えでは10メタ―以上ラインを出して釣りをすることを考えれば、WF(ウエイトフォワード)ラインのほうが、キャスティングやフッキング率においても有効だと思う。だだDTラインは、痛んだ場合に先端と後端を巻き変えての使用が可能であり、経済的である。湖のウエーディング(立ちこみ)時にシンキングラインを使用する場合は、シューティングヘッド(ST)を使用すると効果 的である。シンキングラインを9メーターから10メ―ターにカットし、その後端にフローティングのランニングライン(フローティングのレベルラインorエアロシュータ―)を接続するとランニング部分が沈まず飛距離のロスが少なくなる。

次回の TAKA SUGISAKA のFFコラムは、リーダーとティペットについて書かせていただきます。

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