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杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


第6回 鹿留 パインレイクかわせみ

パインレイクは山梨県都留市鹿留にある、昨年6月にオープンしたばかりの、1日限定30人のちょっとこじゃれたレイクスタイルの釣り場だ。

日釣りは7500円とちょっと高めの設定だが、しっかりしたランチがついて8000円で、レストランで好きなだけいただけるコーヒーには、手作りのクッキーやケーキも待っていてくれるという、とても優雅な気分の1日を楽しめる、新しいスタイルの管理釣り場だ。このパインレイクでは、フライフィッシングを純粋に楽しむために、椅子やびく、クーラーボックスの持ち込み禁止で、もちろんフライフィッシングオンリーでバーブレス、そしてインジケーターも禁止されている。当然放流魚ではあるが、魚体の美しい、コンディションのよい魚をセレクトして入れており、ヒレピンでそのファイトも引き味もすこぶる強烈ですばらしい。隅々まで手入れの行き届いた景観も美しく、今わたしが最も好きな釣り場のひとつとして、結構ハマっている。
ということで今回は、2月10日(わたしのウン歳の誕生日でアリマスが)の、パインレイクの様子をお届けする。

ここでは

  (1) ハッチ・ライズがあればドライフライフィッシング
  (2) タイプI・タイプIIのシンキングラインを使用したストリーマーフィッシング
  (3) リーダー・フライラインの先端部分でアタリをとるニンフフィッシング
  (4) 岸寄りを回遊する魚を狙うサイトフィッシング

の4つの釣り方で楽しむことができるが、この季節は気温水温共に低く、ドライフライの釣りはよほど天気のよい日に限られてしまい、一応ミッジ用のタックルも用意はしていったものの、やはりスタートはシンキングラインの釣りとなった。

タイプIIのシューティングヘッドに2Xのリーダー(6フィートにカットしたもの)に3Xのフロロカーボンティペットを3フィート結んだその先に赤系のストリーマーを結んでいる最中、同行の友人はすでに1匹目をかけた。わたしも2投目に40センチほどのレインボーがヒット、さらに3匹の同サイズのレインボーが連続する。赤系のフライでしばらく続いたもののアタリは遠のいた。そこで黒系のフライにチェンジしたところ再びアタリが戻った。

午前中はシンキングラインの釣りで赤・黒・白・オリーブのストリーマーをローテーションすることにより飽きることなく楽しめた。おいしいランチをいただきくつろいだ後、午後からは、最近再び始めた「スペイフィッシング」に挑戦してみることにする。スペイキャスティングを用いるに効率的な、バックスペースの少ない山側のエリアで、8番のフローティングスペイラインに、4フィートのフローティングリーダーから7Xのフロロカーボンティペットを7フィート継ぎ足し、その先に18番のマーチブラウンニンフを結んだ。中空のフローティングリーダーのバット部分を指3本に巻きつけ、巻きグセをつけた状態のままドライシェイクスプレーを吹きかけ、その部分で魚のストライクを明確にするシステムにする。風が吹き波立った水面では、そのコイル部分に抵抗を受けやすいがためアタリが取りづらかったが、夕刻までの間に8匹をランディングすることができた。

この日一番釣果の出たストリーマーで、数を追うこともアリだし、あえてさまざまな釣り方を楽しんだり。ここでのゆったりした時間が、そんな余裕を持たせてくれるようです。フライフィッシングの新しい楽しみ方を提案してくれる、こんなスタイルの釣り場でのシーズン待ちも、いいですね。

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