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杉坂プロのFFコラム
 
 
 

杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


第9回 秋のフライフィッシングは北海道でキマリだ!

9月になり朝夕は大分涼しくなりましたが、フライに対する魚たちの反応は、日中はまだ芳しくないといったところです。しかし北海道の気温は20度を切り、まさに別天地の天国。そう、秋は北海道にとっての最もよいシーズンなのです!ということで、今回は北海道紋別郡滝上町の渚滑川を紹介します。
この川へのアクセスは旭川空港から車で2時間、あるいは紋別空港から車で45分。6年ほど前から滝上町の下流約8キロ、上流14キロがC&R区間となり、大型のレインボーが安定して釣れる川としてとして全国的に有名になった。ドライ、ウエット、ニンフ、どれも有効な手段だが、釣り方を選択するのがこの川での釣果を左右する。この時期のハッチはヒラタカゲロウ、カディスがメインとなるが、夕刻に集中するため朝・日中の釣りはニンフあるいはウエット(下層)の釣りが中心となり、夕刻はドライ・ウエット(表層)の釣りとなる。
ニンフはボトムを叩くように釣るアウトリガースタイルがよい。#5〜6のフローティングラインに12f4xのリーダーティペットシステムで、ノンウエイトのニンフ(#8〜14)を結び、フライから40〜50cmの位置にショット(シェイプアウエイト)を取りつける。ウエイトの量は流れの速さによって調節し、常に着水後数秒でボトムにフライを落とせる重さにする。ニンフフィッシングの場合はあまりフライにこだわる必要はなく、カディスタイプでもメイフライタイプいずれでもよい。
ウエットフライもニンフと同じようにボトムにフライを沈ませることが必要なため、#5〜7のシンクティップラインを使用する。シンクティップラインを使用した場合、エクストラファーストのシンキングリーダーを使うことをお勧めする。リーダーシステムは7f前後と短めにし、3〜4Xを使用する。フライは沈めることを前提とするのでボディハックルのない、あるいはティンセルボディのシルバーマーチブラウンなどがよい。
ドライフライでは#4〜5のフローティングラインを使用し、リーダーは12f4X、さらに5〜6Xのティペットを3fほど継ぎ足す。この川は50cmを越えるワイルドトラウトも珍しくなイブニングのウエットフィッシングは、#5〜7のフローティングラインに9fの2〜3Xのリーダーティペットを使用し、フライは#6〜10のボディハックルを巻いた沈みにくいタイプ(モトルドセッジなど)を使用し、水面を波立たせながらスイングさせるようにドリフトする。
いので、あまり細いティペットは使用しないほうがよい。
6月下旬に行われた毎年恒例の「渚滑川ダービー」では、ついに65cmの尾びれのピーンと張ったワイルドトラウトが釣れたという報告も入りました。
C&Rの協力の結果によって、渚滑川にはここで再生産した小型のトラウトも数多く生息しています。魚を傷つけないためにぜひともバーブレスフックを使用して下さい。
※今年の北海道は例年になく熊の出没件数が多く危険なため、単独でのイブニング釣行は避け、熊よけの鈴やベアスプレーの携行をお勧めします(ベアスプレーは機内へ持ちこめませんので、宅配便で送っておきます)。詳細は滝上町役場観光課へお問い合わせください。

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