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杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


第14回 「ウェットフライフィッシング」

ごめんなさい。ちょっと多忙で原稿書きそびれてしまいました。
阿寒湖・犀川・大鳥ダム・寒河江川そんでもってアメリカへの釣行で、結果は私のHPと釣りビジョンの番組で報告しまーす。と言う訳で、今回は梅雨も明けそうなこの時期に、ダムや本流から遡上する大型魚を釣るためのウエットフライフィッシングのテクニックを紹介します。

この時期、水生昆虫のハッチもスローになり、バックウオーター周辺の魚は上流へ、本流の魚は支流へエサを求めて増水時に遡上し、普段ではめったにお目にかかれない大物に出会えるチャンスです。そんな魚には、水面を流下する小型の水生昆虫よりも水中を流下する大型の昆虫を模したフライが効果的で、まさに大型のウエットフライが最適なのです。

早朝ポイントに着いたらまずはアップストリームキャストで上流に釣り上がる。
タックルシステムは9ft前後の#5・6ロッドにフローティングライン、リーダーは9ft2X、フロロカーボンの3Xティぺットを4ft、アトラクターフライにはウエットマドラー#6を、そこから2〜3ft離した位置のリードフライは、ボディにフラットティンセルを巻いた沈みやすいパターンのダンケルド#8やシルバーマーチブラウン#8を結ぶ。ウエットマドラーは視認性も高く浮力も大きいため、水面上あるいは水面直下で使用し、インジケーターとしても活躍する。この釣り方の場合、フライは深く沈ませないように注意し、ストライクはおおよそのフライの位置を元に、その周辺での魚の反転を目で確認するか、引きこまれるマドラーを見てフッキングをする。日の高くならないうちはこの釣り方で釣り上がっていく。

日が高くなったらラインをシンクティップにチェンジし、リーダー2Xを7ft、ティペットはフロロカーボンの3Xを3ft、アトラクターフライはダンケルドやアレキサンドラ#6を、そこから2〜3ft離したリードフライはシルバーマーチブラウン、ガバナー、プロフェッサー、クイーンオブザウォーターズなどを結び、先ほど釣り上がってきたポイントを釣り下がっていく。

この時期、日中は日差しも強く気温水温ともに上昇し、よほど木々の被さった川でない限り釣果は望めネいの。日中の余った時間は源流部へ行きドライフライの釣りをするか、木陰でお昼寝、といったところで、夕方、日が傾き気温も少し下がってから再び釣りを始める。

午前中に釣りをした間でもっとも魚の居そうと感じた場所2ヶ所で勝負を掛け、早朝と同じシステムでクロスダウンスイングで水面や水面直下をスイングさせ、スケーティングアクションで魚を誘い出す。アトラクターフライには#6ダンケルド、リードフライには#8モトルドセッジやスペックルドセッジなどがよい。というのが、この時期の私の、ウエットフライフィッシングなのです。

状況的には、雨で増水し濁った川が平水・クリアーに戻る直前が絶好のタイミングです。
くれぐれも、川の増水には気をつけて挑んでください。

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