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杉坂プロのFFコラム
 
 
 

杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


第16回 「禁漁期にすべきこと」

10月になると、北海道を除く大半の渓流は禁漁となります。オフシーズンに使用しないタックルはこの時期に手入れしておくことをおすすめします。来期の解禁を迎えたときに困ることのないよう、キッチリ手入れし保管しておきましょう!

1. ロッド
湿らせたタオルでロッド全体を拭き、ガイドの根元など細かい部分は綿棒で拭きます。グリップとリールシートは中性洗剤を染み込ませたスポンジで汚れを擦り落します。スネークガイドに磨耗による溝ができていたら交換しなければなりません。馴れればそんなに難しい作業ではないので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。ご自分でできない場合には最寄りのショップかメーカーで行ってもらってください(1ヶ所1000円くらいが相場です)。布製の竿袋も汚れていたら洗いましょう。カーボンロッドはしっかり乾燥した状態であればロッドケースに収納します。バンブーロッドはケースから出し竿袋の状態でグリップを下側にして吊るしておきます。

2. リール
スプールを外し、水を流しながら使用済みの歯ブラシ(小さめのブラシであればなんでもよい)で汚れを落とします。水分をふき取り乾燥させた後、中心軸やクリック、バネ部分にリールオイルを充填しておきます。ドラグ付のリールであれば最も緩めた状態で保管します。バーミンガムスタイル(両軸リール)は、ハンドルと反対側のビスを外し同様の作業をします。ビスの多いリールは全体のビスの緩みをチェックします。その際ビスの緩み止め剤を充填しておくとよいです。

3. ライン
フローティングラインは中性洗剤を染み込ませたスポンジで汚れを落とし、水で洗剤分を落としたあとラインコーティング材を塗り、直径20cm以上のループにして保管しておきます。リールに巻いたまま長期間保管しておくと巻きグセが取れなくなってしまうので注意。シンキングラインは汚れを落とすのみで、同じようにループを作り保管しておきます。

4. ベスト
洗濯機はほつれの原因になるので、手洗いで洗濯をします。縫い目のほつれもチェック、小さいうちに補修しておきましょう。ジンクなどで油ジミができている部分には、部分汚れ用洗剤で落とします。

5. ウェーダー
外側の汚れは洗濯洗剤をつけたスポンジで落とすのはもちろんのこと、ウェーディングシューズタイプは裏返して同様に洗います。ブーツフットタイプはぬるま湯に溶かした洗剤液をすねのあたりまで入れ、しばらく置いてからよくゆすぎます。クリーニング屋さんの針金ハンガーを使い、逆さ吊りにして2、3日陰干し、完全に乾燥させます。

6.ウェーディングシューズ
紐を外し、束ねて普通に洗濯機にかけます。シューズブラシ(柄付きの靴洗いブラシ)で汚れを落とし2、3日陰干しし乾燥させます。皮革がついた部分は乾燥後変形しやすいので、ミンクオイルを染み込ませておきます。シーズン中にも常時ミンクオイルを染み込ませておくと驚くほど長持ちします。フェルト部分が磨りへっていたら張り替えをします。フェルトをプライヤーで挟みシューズの接着部分をカッターで切りながら剥がしていきます。張り替えフェルトに説明書が添付されていますし簡単ですが、張り替えサービス(有料)するメーカーもあります。

オフシーズンに入って渓流で魚に休んでもらっている間でも、管理釣り場というフィールドで、タックルはフル稼働させられてることでしょう(私ももちろん…)。だから常に小さなメンテナンスを欠かしません。タックルにも釣り人にも、真のオフシーズンはやってこないものかもしれませんね。

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