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杉坂プロのFFコラム
 
 
 

杉坂隆久
1956年2月10日愛知県岡崎市で生まれる。水瓶座。
先祖代々釣り好きの家系に育ち、物心付いた時には、近所の野池や小川で釣り糸を垂れていた。1974年よりフライフィッシングにはまり、川・湖・海、ミッジからストリーマーまで何でもこなせるオールパーパスなフライフィッシングをめざしている。岡崎市でFHスギサカを東京神田でトラウトショップとレビュープロダクツを小野訓氏とともに経営し、ロッドやリールの設計開発を行うかたわら、インストラクターとして全国各地でスクールを開催し後進の育成にも努めている。
著書に「フェバリットフライタイイング」・「シーズナブルタイイング」。出演ビデオに「THE JAPANESE BIG GAME」・「トラウト億万釣者」・「河口湖最新テクニック」等。


第18回 「解禁2003」

2003年、明けましておめでとうございます。もう1月も下旬を過ぎました。
私の、河川解禁の幕開けの地は、長野県の犀川、2月16日の解禁初日。ということで、新年コラムは、犀川の釣りとダブルハンドでのテクニックを紹介しま〜す。
私がポイントとしている豊科周辺は、大正池で有名な梓川、そして奈良井川、高瀬川の三河川が合流し、広いところでは川幅50m以上にもなります。対象魚は、基本的にはニジマスです。よく釣れるサイズは30cm前後ですが、私の友人達は67cm!を筆頭に、50cm台の実績も多く聞いています。稀に、大イワナや大アマゴも…正に一発大物河川です。

1.タックル
ロングキャストを必要とするところから、#8以上のダブルハンドが主流になります。
3川合流よりも下流域はバックも開けているため、シューティングヘッド。高瀬川合流より上流に行く場合は、木立を背にして釣るポイントも多く、スペイラインとシューティングヘッドシステムを用意するのが望ましい。
ラインシステムは、解禁時の水温は当然低く、魚も中層から下層に定位しているため、タイプ3〜タイプ4を使用します。シューティングヘッドのランニングラインは20ポンド前後のモノフィラメント、中空構造のものがよいでしょう。
リーダーシステムは、フロロカーボンリーダーの1X9ft、同じくフロロカーボン2Xのティペットを4ft継ぎ足します。フライは、この時期水生昆虫の羽化など少ないため、インセクト系よりもお魚系&アトラクター系を使います。代表的なフライはブラックゾンカー#4、オリーブスメルト#6、ウーリーバッガー#6、ピーターロス#6、ブラックマドラー#6などがよいと思います。
昨年とは川の流れも変わっているでしょうが、この季節はなるべく深く、そしてなるべく緩やかな流れのポイントを選択します。

2.ダブルハンドのキャスティング
ダブルハンドを使ったことのない方には、長くて重そうなダブルハンドのキャスティングを難しいように思っているかもしれませんが、実はシングルハンドより簡単です。ずばり、ダブルホールがないためです。ロッドが長いためストロークが大きく少ないフォルスキャストでたやすくロングキャストがナき、フライが高いところを行き来するため安全です。注意する点はロッドが長い分ティップの移動距離は長くなる訳で、振り過ぎない、シングルハンドの3分の1くらいがちょうどいいストロークです。利き腕側にほんの少しロッドを傾け、ロッドの脇ぎりぎりにライン・フライを通過させるのが、トラブルを少なくするコツです。利き手の動きはシングルハンドと全く同じ、もう片方の手は、ロッドのエンドを包み込む様に持ち、バックキャスト時には前方へ押し出し、フォワードキャスト時には腹側へ引きつけるようにします。フォルスキャストは12時−1時のショートストローク、シュートする直前のバックキャスト。シュートする直前のバックキャストを11時で止めたあと、ロッドティップを下げないよう後方へ送りこみ、ストロークを充分にとりシュートをします。フィニッシュのポーズも、ロッドティップを下まで振りすぎるとワイドループになり飛距離が落ちてしまうので2時の角度で急停止するようにシュートするとナロープールで飛んでいきます。ダブルハンドの釣りでもうひとつ明暗を分けるのは「ランニングラインの処理」にあります。まったく流れのないところや、立ち位置が陸上であれば、リトリーブしたランニングラインは直下に落としておけばいいのですが、流れの中に立ち込む際には、左手でホールドしておかなければランニングラインは下流に流されてしまい、飛距離が出ません。
そこで、私の基本形はこうです。読みながら、ちょっとやってみてください!

  1. リトリーブ1回目、2回目、3回目ー…それを1ループにして、小指に掛ける。
  2. リトリーブのカウントを1に戻し、「1回、2回、3回、4回ー」で、同じように4回分のリトリーブを1ループにして、薬指に掛ける。
  3. 次は5回で1ループにし、中指にかける。
    ※ さらに遠投する場合は、各指にかけるループを大きく(1ループのリトリーブ回数を増やす)します。
    そしてシュート時。指に持ち、各ループになって水面に浮いているラインを「パッと」空中へ放出するのですが、熟練が必要な技術です。そこまでできなくてもシュート時に指からラインを離すだけでも飛距離は出ますから大丈夫。
    そして流し方。基本的には、プールの上流側に立ち、下流対岸側45度にキャストし釣り下っていきます。流れが速く、ラインの沈みが悪く感じた場合は、キャストの角度を45度より大きく、沈みすぎると感じた場合は45度より小さくします。
    解禁当初は特に中層からボトムにかけてフライが流れるようなキャスティングの角度やラインの選択することが、釣果を左右します。

今年の私は「一投入魂・一発大物」!そんな気持ちでキャスティング、そして大物釣りに、昨年にも増してリキ入れてがんばりますので、みなさん今年もどうぞよろしく…。

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